フコキサンチンとは
フコキサンチンとは、コンブやワカメなどの海藻や微細藻類に含まれる色素の一種で、鮮やかな赤色をしています。
フコキサンチンは健康や美容に様々な効果があることが知られており、私たちは微細藻類を大量培養してフコキサンチンを生産しています。
フコキサンチンの持つ生理活性
私たちがフコキサンチンに注目したのは、フコキサンチンには身体に良い効果をもたらすことが期待できる様々な生理活性が報告されているからです。フコキサンチンという物質は1914年に発見され、そこから100年以上が経過し、数多くの研究により明らかになってきたフコキサンチンの持つ様々な生理活性を紹介します。
・抗酸化作用
私たちの身体は日々、紫外線やストレスによって発生する活性酸素によりサビていきます(=酸化)。この酸化は身体の老化につながると考えられており、フコキサンチンには酸化を防御、回復させる効果(抗酸化)があると報告されています。
・美白美容作用
シミは肌のターンオーバーが乱れてメラニンが蓄積することで発生します。フコキサンチンにはメラニンの合成を抑制する効果があると報告されています。
肌のハリ、ツヤには、ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチンといった肌の中の成分が重要な役割を担っています。フコキサンチンにはこれらの成分を保持しやすくする効果があると報告されています。
・抗肥満作用
脂肪は身体に蓄えられる重要なエネルギー源となりますが、脂肪の過剰な蓄積による肥満は万病のもとになります。フコキサンチンには蓄積した脂肪を燃焼させやすくする効果があると報告されています。
・育毛作用
髪の成長には、髪の根本の細胞(毛乳頭細胞)が活発に分裂する必要があります。毛乳頭細胞の分裂を促進する効果がフコキサンチンにあるとの報告があります。
・紫外線からの皮膚保護作用
強力な紫外線を浴びると皮膚に炎症が起こりますが、フコキサンチンには炎症が起こるのを防ぐ効果、起きた炎症の回復を促進する効果が報告されています。
・抗がん作用
正常な細胞が遺伝子損傷などにより異常増殖をするようになったものががん細胞と呼ばれています。そのようながん細胞に対して細胞死(アポトーシス)を誘導する効果がフコキサンチンにあるとの報告があります。
微細藻類(microalgae)とは
微細藻類とは、読んで字のごとく微細な(とても小さな)藻類のことです。ではまず、藻類がどういった生物のことを指しているのでしょうか?
藻類とは、『酸素発生型の光合成を行う生物の中でコケ植物、シダ植物、種子植物を除いたもの』、という定義がされているため、非常に多様な形態・性質を持った生物群であると言えます。形態の違いでは海中で数10メートルを超える大型・多細胞のものから顕微鏡を使うことで観察が可能となる数マイクロメートル程度の単細胞性ものがいます。また、単細胞が集まった群体や糸状体を形成するものもいます。緑、赤、黄、褐色など多彩な色調を示し、中には環境の変化により緑から赤へと劇的な変化を示す生物種もいます。必ずしも光合成によってのみ増殖するもの(光独立栄養)だけでなく、有機物を利用して増殖するもの(従属栄養)もいます。
その中でも観察に顕微鏡を必要とするような小型の藻類が微細藻類(microalgae)と呼ばれています(厳密な細胞の大きさで決められてはいません)。
微細藻類は、河川・湖沼・汽水域・海洋と水のある様々な環境に生息しており、高温域を好む好熱性の藻類が温泉から発見されたこともあります。私たちも環境からサンプリングを行い、有用な形質を持った新奇の微細藻類の探索を行っています。