化粧品の中には何が入っているのか気にしたことはありますか?
毎日化粧品を使用しているのに、中に配合されている成分を知らないという方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、化粧品に含まれている成分について解説します。
配合成分を知ることは、自分にピッタリ合う化粧品を見つけることにも役立つので、ぜひ参考にしてください。
化粧品の基本の構成
一般的に化粧品は、主に以下の4つで構成されています。
・基本成分
・品質保持成分
・香料、色素成分
・有効成分・機能性成分
それぞれについて解説します。
化粧品の基本成分
化粧水、美容液、乳液、クリームなど用途に合わせて作られるスキンケアアイテムベースの部分。基本成分は、水溶性成分、油性成分、界面活性剤の3つにわけられます。
この3つのバランスにより「さっぱりタイプ」「しっとりタイプ」または「ジェルタイプ」「クリームタイプ」など使用感やテクスチャーが異なります。
「水溶性成分」
水溶性成分は、皮膚に水分や潤いを与えるモイスチャライザーとして機能します。水溶性成分の代表は水です。その他には、グリセリン、BG、ヒアルロン酸、コラーゲン、糖類なども水溶性成分に含まれます。水溶性成分が多いと、さっぱりしていたり、サラッとした仕上がりになります。
「油性成分」
油性成分は、肌から水分の蒸発を防ぐ保湿剤としてエモリエント効果を発揮します。オリーブオイルやホホバオイル、シアバターなどが油性成分です。油性成分が多いほどこっくりとした乳液やクリームになります。ただし、もともと皮脂量が多い人は油性成分が多い化粧品を使うとベタつくと感じるので注意が必要です。
「界面活性剤」
水溶性成分と油性成分を混ぜ合わせることができるのが界面活性剤です。界面活性剤と聞くと化学成分で肌に悪いイメージを持っている方もいますが、界面活性剤は自然にも存在しています。卵黄も界面活性剤の一種です。マヨネーズを作る時に酢(水溶性)と油は、そのままでは混ざることはありませんが、卵黄を入れることで混ざります。
化粧品では、クレンジングがわかりやすいでしょう。顔のメイクや皮脂などのあぶらは、そのまま水で洗っても流れていきませんが、クレンジングをつけると洗い流せます。これは界面活性剤の働きによるものです。
品質保持成分
品質保持成分としてあげられるのは「増粘剤」や「酸化防止剤」です。
増粘剤は、液体にとろみをつけ、乳化された水と油を分離させないようにする働きがあります。カルボマー、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロースなどの成分名が増粘剤です。
酸化防止剤の役割は成分の酸化を防ぐことです。化粧品の中の成分、特に油性成分は空気に触れると酸化しやすく商品の劣化につながります。酸化防止剤を使用することで商品を長持ちさせる効果があります。
「防腐剤」
防腐剤の役割は、カビや微生物の繁殖を防ぐことです。化粧品の中に配合されているアミノ酸、糖類、天然オイルなどはカビや微生物の餌となります。さらに化粧品は、手で直接使用することが多いためカビや微生物が繁殖しやすいという特徴があります。長期間品質を保持するためにも防腐剤はかかせない成分です。
「パラベンフリー=防腐剤フリー?」
最近では、パラベンフリーやパラベン不使用と記載されている化粧品が多くありますが、これは防腐剤が入っていないというわけではありません。一般的には、パラベン以外の防腐剤を使用しています。
香料、色素成分
化粧品には香料や色素成分が配合されているものもあります。
ここでは香料と色素成分について解説します。
「香料」
香料は、化粧品そのものの臭いを隠す効果と化粧品のイメージアップのために使用されます。香りには、リラックス効果やポジティブな気持ちにさせるなどのプラスの効果があります。
「色素成分」
化粧品に色をつけるために着色剤を使用していることがあります。着色剤は、化粧品をキレイに見せる役割の他に、肌のツヤを出したりテカリを抑えたりする役割があります。
着色剤は、大きく分けると顔料と染料にわけられます。
顔料は、皮膚に吸収されない大きさの粉状のもので、皮膚表面の凹凸に入り込むことがありません。穏やかに発色するのが特徴です。
染料は、粒子が小さく皮膚表面の凹凸に入り込みます。肌にピッタリと密着して鮮やかに発色するのが特徴です。
肌のトーンが気になる場合には、化粧品に配合されている色素成分に注目して選ぶのも良いでしょう。
有効成分・機能性成分
化粧品の特徴を決めるのが有効成分・機能性成分です。有効成分・機能性成分として何を配合するかによって化粧品の目的が変わります。
そこで、ぜひ覚えておいて欲しい「よく使用されている美容成分」と「注目の有効成分」を紹介します。
「化粧品によく使用されている美容成分」
・ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は、安全性の高い保湿成分です。通常化粧品にはヒアルロン酸Naという名前で配合されています。
ヒアルロン酸の特徴は、強力な保水力です。ヒアルロン酸1gで保持できる水の量は6リットル。油のようにベタつくことなく、しっとりとなめらかなのが魅力です。
・コラーゲン
肌にもともと存在しているコラーゲンは、肌の弾力を保つ役割がありますが、化粧品成分のコラーゲンの主な役割は保湿です。一般的なコラーゲンは分子構造が大きく肌には浸透しません。そのかわり肌表面に膜を張り、水分の蒸発を防いだり、外的刺激から肌を守る効果があります。
・ビタミンC誘導体
ビタミンCは、壊れやすく肌に直接塗るには向いていない成分です。その弱点を改良したのがビタミンC誘導体。抗酸化作用、美白作用、皮脂分泌の抑制、コラーゲンの生成促進、ターンオーバーの促進などさまざまな美容効果が期待できるオールマイティーに活躍する成分です。
注目の美容成分
・バクチオール
「次世代レチノール」として注目されている成分がバクチオールです。レチノールはビタミンAの一種です。肌に弾力と潤いを与えるなど優れた効果が期待できる一方で、敏感肌の人が使うと赤みや肌荒れを引き起こすことがあるなどデメリットがあります。
オランダイビユ(バブチ)というマメ科の植物から抽出したバクチオールは、肌に負担をかけることなく、エイジングケア効果が期待できる成分です。
・NMN
NMNの正式名称は、βニコチンアミドモノヌクレオチド。NMNは、もともとあらゆる人の細胞に存在していて、身体の機能を保ち若さや健康に影響を与えます。NMNが減少すると若々しさが失われ、健康被害を引き起こすことがわかってきました。
NMNの肌への効果としては、抗シワやバリア機能の改善、色素沈着の抑制が期待できます。
・フコキサンチン
フコキサンチンとは、昆布やワカメなどに含まれているオレンジ色の色素のことです。高い抗酸化力を持っているエイジングケア成分として注目を集めています。抗酸化以外のフコキサンチンの肌への効果としては、細胞の活性化、抗炎症作用、皮膚に潤いを与え乾燥を防ぐ効果などが期待されています。
また、栄養分が非常に豊富なので肌を健やかにし、トラブルの起きにくい肌へ導きます。
化粧品に配合されている成分を知り、自分にピッタリのアイテムを見つけましょう
本記事では、化粧品の基本成分や品質保持成分や防腐剤などについて解説してきました。
また、化粧品によく使用されている美容成分としてヒアルロン酸、注目の成分としてフコキサンチンなどについて紹介しました。
化粧品を選ぶときには、基本成分や防腐剤などもチェックすることが大切です。その上で自分の目的に合った成分が配合されているものを選びましょう。