「洗顔の目的は何ですか?」
「何のために洗顔をしていますか?」
自信をもって答えることができるでしょうか。
「クレンジングの目的は何ですか?」と聞かれると「メイク落とし」などと答える方が多いと思います。
でも「洗顔の目的は何ですか?」と聞かれると答えに困る方も多いのではないでしょうか。皆さん毎日、洗顔をしているのに「なぜ、洗顔をしているか」は意外に気にしていなかったりします。
また「洗顔の目的は何ですか?」についての答えで多いのは「汚れを落とすため」です。汚れを落とすことで間違ってはいないのですが、「どんな汚れを落とすのか」が大事なポイントです。
この記事では、洗顔の目的や正しい洗顔方法などの「洗顔の基礎知識」について紹介します。
洗顔で落とすべき汚れ
・垢(あか、古い角質)
・皮脂
・ほこり、花粉、排気ガス
・垢(あか、古い角質)
洗顔の目的のひとつは垢(あか)を落とすことです。垢がたまるのは体だけではなく、顔にもたまるのです。垢(あか)とは古い角質の事。肌は4層構造になっており、一番下から、基底層、有棘層、顆粒層、角質層となっており、基底層で生まれた細胞がだんだん上にあがり、角質層となり最終的には垢(あか)となって剥がれ落ちるのです。これを肌のターンオーバーといいます。
垢を落とさないとどうなるのかというと、角質肥厚といって、肌がゴワゴワして、くすんだ状態になります。さらに肌表面に垢が残っているとターンオーバーが正常に行われなくなるのです。
洗顔で垢を落とすことは、ターンオーバーを正常にし、肌をキレイに保つためにも大切なことなのです。
「肌がつるつる、美人の湯はアルカリ性」
垢とは古い角質のこと。そして古い角質はタンパク質。タンパク質はアルカリに触れると分解するという性質をもっています。
美人の湯といわれる温泉に入ると、お肌がつるつるになるのは、アルカリのお湯が肌表面の余計な垢(古い角質)を落としてくれるからなのです。
ちなみに洋服用洗剤も、服についたタンパク汚れを落とすためにアルカリ性です。
・皮脂
皮脂を落とすことも洗顔の大事な目的の一つです。朝の洗顔は油断禁物です。朝はメイクをしていなからといって水やお湯だけで洗顔する人もいますが、それではNGです。
皮脂は、夜の寝ている間に大量に分泌されます。大量に分泌された皮脂は水やお湯だけでは落とせません。皮脂は文字通り「脂」なので水では流れないのです。そのため洗顔料が必要になるのです。
朝にしっかりと皮脂を落としておかないと、その皮脂は日中に顔の上で酸化してしまい、くすみの原因となってしまいます。さらには、酸化した皮脂は肌のダメージとなりシミやシワの原因にもなるのです。
朝も洗顔料でしっかりと皮脂を落とし、日中のくすみを予防しましょう。
・ほこり、花粉、排気ガス
肌には空気中の汚れが付着します。その付着する量は、衣服よりも多いのです。その理由は電気です。人の体には生体電流が流れており、その電気が空気中の汚れを吸い寄せてしまうのです。特に排気ガスに含まれる酸化チタンなどの金属製の汚れは電気に引き寄せられるので注意が必要です。
「ほこり」「花粉」「排気ガス」などが肌にたまっていくとアレルギーを引き起こす原因になります。季節や場所によって肌のかゆみなど以上を感じる方は、まずは洗顔を見直してみる必要があるかもしれません。
最近アンチポリューションといって大気汚染から肌を守るスキンケアも注目されているのも排気ガスによる肌トラブルが問題になっているからです
正しい洗顔方法
ここでは洗顔の正しいやり方と注意点についてご紹介します。
- ぬるま湯(30℃~34℃)で顔を濡らす
- 洗顔料をしっかり泡立てる
- 決してこすらず、泡のスポンジで洗うイメージ
- ぬるま湯でしっかい洗い流す
- やさしく水分をふき取る
- 保湿ケアをする
ぬるま湯で顔を濡らす。
ぬるま湯(32℃~34℃)というのは洗顔をするときの大事なポイントです。なぜ32℃~34℃なのかというと、それは肌表面の温度が32℃~34℃だからです。体温計で体温を測ると36℃とか出るとおもいますが、それは体の内部の温度です。外気にさらされている肌の温度は32℃~34℃といわれています。
34℃以上の肌表面よりも高い温度のお湯で洗顔をすると、皮膚のバリア機能が破壊されて、水分保持が出来なくなります。浴室のシャワーで洗顔するときにはシャワーの温度に気を付けなければいけません。シャワーの設定温度は40℃~42℃くらいに設定している方が多いと思いますので、シャワーで顔を洗う時は少し下げて洗顔をした方が良いでしょう。
逆に、32℃より低い温度の場合は、皮脂などの汚れが取れにくくなってしまいます。
ちなみに32℃のぬるま湯は皆さんが想像する以上に「ぬるい」と思います。一回実際の温度を計ってみてもよいでしょう。
「お風呂も注意!」
入浴は、心身ともにリラックス出来るので、ゆっくり、長く浸かりたいという人も多いと思います。入浴中は湯気等もあり、肌にとっても潤っているような気がするのですが、実は長湯は乾燥を引き起こす原因になるのです。
その時、肌で何がおこっているかというと、肌の保湿成分セラミドが溶け始め、お湯に流れ出ているのです。
お風呂につかるときの温度は40℃以下、時間は15分以内にしたほうが、肌には良いでしょう。
洗顔料をしっかり泡立てる
洗顔料を顔の上で泡立てるのはNGです。
洗顔料を手に取り、そのまま顔につけ、顔の上で泡立てる人がいますが、この方法では肌をこすることになり、ダメージが残ってしまいます。
洗顔料の泡立ては手の上でするのが基本です。まずは、泡立てネットや泡立て器を使って、しっかりと泡立てます。ホイップクリームのようにモコモコとした泡が理想で、その泡で顔を洗います。
決してこすらず、泡のスポンジで洗うイメージ
手が顔に触れないように泡をスポンジ代わりにするイメージで洗います。そうすることで肌負担が少なく洗顔することができます。
また、しっかりと泡立てを行うことで、細かい泡の一つひとつが角質層を包み込み、古くなった角質や汚れを落としてくれるのです。
ぬるま湯でしっかい洗い流す
最初に顔を濡らす時といっしょで、洗い流す時も32℃~34℃のぬるま湯を使います。洗顔のときのお湯の温度は、乾燥を防ぎ、肌を美しくするための大事なポイントなのです。
やさしく水分をふき取る
肌触りの良い柔らかいタオルでゆっくりと押さえるように、タオルに水分を吸収させるイメージで拭き取ります。この時の注意点は「こすらない」ことです。タオルで雑に顔を拭いてしまうと肌の刺激になり、乾燥やシミなどの原因になります。
保湿ケアをする
洗顔後の肌は、水分が蒸発しやすい状態です。洗顔後に肌のつっぱりを感じる方も多いでしょう。そうならない為にも早めの保湿ケアが大切です。
洗顔後に肌がつっぱるという方は、洗顔料や洗顔方法、またはスキンケアの見直しが必要かもしれません。肌は、洗顔で皮脂をとってしまっても、もとに元に戻ろうとする力が働きます。元に戻ろうとするということは、汗と皮脂が分泌され天然の保護クリームである皮脂膜を作ろうとするということです。それが正常に機能しないということは、肌が老化している可能性があるので、肌の機能を高めるケアが必要になります。
正しい洗顔方法のポイント
洗顔方法について前項では長々と説明しましたが大事なポイントは2つです。
・決して肌をこすらないこと
・32℃~34℃のぬるま湯で洗顔すること
スキンケアの基本は肌に刺激を与えないことです。決してこすらない、熱いお湯で洗わないということに注意してください。
理想の洗顔とは
洗い終わって鏡を見たときにしっかりと汚れが落ち、くすみがとれていているのに、肌がつっぱっていないのが理想の状態です。
洗浄力が高くても、洗った後の肌がつっぱっていてもだめですし、肌にやさしくても皮脂や垢が残ってしまうのもダメです。
洗顔の目的は、肌に負担をかけずにしっかりと汚れを落とすことです。
自分にピッタリ合う洗顔料を見つけ、正しい洗顔方法で理想の美しい肌を目指しましょう。