「フコキサンチン」という名称を耳にしたことはありますか？

フコキサンチンは、海藻などに含まれる天然の色素で、肌を美しくキープする力を秘めています。

この記事では、魅力的な天然色素、フコキサンチンについて解説します。

肌悩みを抱えている方やいつまでも美しい肌をキープしたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。

フコキサンチンとは

フコキサンチンは、主に昆布やワカメなどの褐藻類に含まれるカロテノイドという色素です。カロテノイドは自然界に広く存在している赤色または黄色の色素で強い抗酸化力を持っています。

カルテノイドには、以下のような種類があります。

• 緑黄色野菜に含まれるβ-カロテン
• トマトなどに含まれるリコピン
• ほうれん草などに含まれるルテイン
• 鮭やイクラに含まれる赤い色素アスタキサンチン

近年、フコキサンチンの研究が進んでいます。フコキサンチンには抗酸化作用があり、細胞を損傷から保護する効果などの研究結果も発表されているのです。さらに、一部の研究では、フコキサンチンが体重の管理やメタボリックシンドロームの予防に役立つ可能性が示されています。

フコキサンチンは、健康面でも美容面でも非常に注目されている成分なのです。

フコキサンチンは、食事から直接取ることが難しいため、多くの場合はサプリメントの形で摂取されます。

希少なフコキサンチン

フコキサンチンは、動植物の中にしか存在していません。化学的に合成して作ることができないのです。フコキサンチンが多く含有されているのは、昆布やワカメなどの海藻類なのですが、含まれている量は極微量です。多いものでも0.02％程度とほんの少ししか含まれていません。

フコキサンチンは、それだけ希少価値の高いものなのです。

フコキサンチンの効能

フコキサンチンには、様々な効能があります。

ここでは、フコキサンチンの効能のごく一部を紹介します。

ここで紹介するフコキサンチンの効能は、以下の

• 肌のハリ・弾力をキープするコラゲナーゼ、エラスターゼ活性阻害効果
• チロシナーゼの活性を阻害しシミを予防する
• 活性酸素からの細胞保護効果
• 肌のみずみずしさをキープするヒアルロニダーゼ阻害活性効果
• コラーゲンを作り出す線維芽細胞の活性

一つずつ解説します。

肌のハリ・弾力をキープするコラゲナーゼ、エラスターゼ活性阻害効果

フコキサンチンには、肌のハリ・弾力を維持する効果が期待できます。

具体的には、コラゲナーゼ、エラスターゼ活性阻害効果があります。

コラゲナーゼ

コラゲナーゼとは、コラーゲンを分解する酵素の一種です。コラーゲンは、肌の真皮層にあり真皮層の70％を占めています。コラーゲンが豊富かどうかで肌のハリが変わってきます。

コラゲナーゼは、旧細胞の分解、傷の治癒、細胞移動、組織の再形成など体にとって重要な役割を果たしています。

しかし、コラゲナーゼの活動が過剰になると、皮膚の老化（特にシワやたるみ）を進める可能性があるのです。

フコキサンチンは、コラゲナーゼの活性を抑え、コラーゲンの分解を防ぐ効果が期待できます。

エラスターゼ

エラスターゼは、エラスチンを分解する力を持つ酵素です。エラスチンは体の組織が元の形に戻ることを可能にする「ゴムのような」役割を持っています。肌を押しても跳ね返ってくるのはエラスチンの力が大きく関与しています。

エラスターゼもコラゲナーゼと同様に体にとって必要な酵素です。

しかし、エラスターゼの活動が過度になると、エラスチンの分解が始まるのです。

フコキサンチンは、エラスターゼの活性を抑え、肌の弾力を維持する働きがあります。

チロシナーゼの活性を阻害しシミを予防する

シミは、メラニン色素の蓄積によって形成されます。メラニン色素の生成には、チロシナーゼという酵素が重要な役割を果たしています。

チロシナーゼは、メラノサイトと呼ばれるシミの元を作り出す細胞の中で、チロシンというアミノ酸をメラニンに変換する働きがあります。肌が紫外線にさらされると、メラノサイトは、チロシナーゼを活性化してメラニンの生成を促進するのです。メラニンは肌を紫外線から保護する役割を果たします。

しかし、このメラニン生成の過程が過剰になると、メラニンが皮膚に蓄積しシミができる原因になります。

黒い色を白くする美肌成分と違って、フコキサンチンはチロシナーゼの活性を抑えシミを作らせないようにするのです。

活性酸素からの細胞保護効果

活性酸素とは、私たちの体がエネルギーを生成する過程で自然に生成されます。活性酸素の役割はウイルスなどの敵から体を守ることです。

しかし、活性酸素が増えすぎるとDNA、タンパク質、脂質などの細胞構造を攻撃しダメージをあたえます。これは「酸化ストレス」や「酸化ダメージ」とも呼ばれ、細胞機能の異常や細胞死を引き起こす可能性があります。

この酸化ダメージは、老化の加速、心疾患、がん、神経疾患など、さまざまな健康問題と関連しています。

活性酸素が増える要因としては、不健康な食生活、ストレス、タバコ、アルコールの過剰摂取、紫外線など、さまざまな生活習慣や環境因子によって引き起こされることがあります。

フコキサンチンには、活性酸素を除去する力があります。そのため活性酸素から細胞のダメージを防ぎ、健康な状態を維持する働きが期待できます。

肌のみずみずしさをキープするヒアルロニダーゼ阻害活性効果

ヒアルロニダーゼは、ヒアルロン酸という成分を分解する酵素です。ヒアルロン酸は肌の保湿と弾力を維持するのに重要な役割を果たしています。ヒアルロニダーゼの量や活性が増えすぎると、ヒアルロン酸が過剰に分解され、肌内のヒアルロン酸の量が減少します。

ヒアルロン酸が不足すると、肌はその保湿力と弾力を失い、乾燥しやすくなったり、しわやたるみが出やすくなったりします。

ヒアルロニダーゼの活動が過剰になると肌トラブルの原因になります。

フコキサンチンは、ヒアルロニターゼの活性を押さえて、ヒアルロン酸を分解させないようにします。そうすることで、潤ったみずみずしい肌をキープすることにつながります。

コラーゲンを作り出す線維芽細胞の活性

線維芽細胞とは、体内の結合組織に広く存在する細胞の一種で、特に皮膚、腱、靭帯などに多く見られます。結合組織は、体内のさまざまな組織や器官を支え、保護し、つなげる役割を果たしています。

線維芽細胞の主な役割は、コラーゲンとエラスチンを生成することです。

コラーゲンは皮膚のハリを生み出し、エラスチンは皮膚の弾力性のもととなります。線維芽細胞は皮膚の弾力と強度を維持するために非常に重要な役割を果たしているのです。

さらに、線維芽細胞は、傷や炎症がある場合には新しい組織の形成を助け、傷の治癒にも関与しています。また、加齢や紫外線によるダメージにより皮膚組織が損傷したとき、線維芽細胞は損傷部分を修復するためにコラーゲンとエラスチンの生産を増やします。

線維芽細胞は、肌の健康と若々しさを維持するために重要な役割を果たしています。

フコキサンチンでいつまでも健やかで美しい肌を

まとめ

この記事では、フコキサンチンの肌に対しての効能について解説してきました。

フコキサンチンは、健康だけでなく美容にもたくさんの良い効果をもたらしてくれます。抗酸化作用で肌を守り、炎症を抑え、老化を防ぐという様々な効果が期待できるのです。

シミ・シワ・敏感肌、ハリや弾力など、肌に悩みを抱えている方は、一度フコキサンチンが配合された化粧品を使用してみてはいかがでしょうか。